スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    新刊案内:『誰も知らないロシア映画』(Kindle版)


     かなり前に、このブログで2000年代ロシア映画の新人達について連載記事を書いたことがある。それからもう4年がたち、私が紹介した当時未公開だった作品のうち何本かは、公開されたりソフト化されたりした。それでも、大半の作品はいまだに日本で未公開であり、ソフトもないばかりでなく、関連書籍も資料もない。情報が少なすぎるのである。
     その前の10年間、つまり1990年代のロシア映画に関しては、もう少しは日本語の情報がある。とは言え、2000年代の日本における“映画に関する言説”の希薄化によって、ロシア映画に限らず当時の外国映画、特に作家映画はすっかり忘れられてしまった感がある(ハリウッド製娯楽映画は除く)。“私は全部覚えている”という読者もいるかもしれないが、私が問題にしているのは、そのような専門家的な意識を持つ人々ではなく、あくまでも具体的な“映画に対する需要”につながる一般観客の関心である。

     今月23日にアマゾンのKindle本として発売される『誰も知らないロシア映画』は、上記のような状況も踏まえて、“今自分が持っている情報を公表しなければ、今後誰も紹介しない、或いは忘却されるだろう”と思われる作品群を紹介するために書いた。これは以前に刊行された『映画文化と現代ロシア映画』のような包括的な研究書ではなく、あくまでも一般読者向けの本である。
     この本では、2000年代に登場した新人達だけでなく、1990年代と1910年代のロシア映画のことにも触れている。日本で公開されたり特別上映されたりした作品も含まれているが、それでも最近ようやくソフト化された作品や劇場にかからなかった作品の方が多い。ましてや、それらの映画が製作された文化的・産業的な背景等は、おそらく研究者と呼ばれる専門家しか知らない。その意味では一般観客にとっては、“知られざる”映画たちなのである。
      巻末には人名索引がついており、本文には日本で手に入る映像ソフトや無料動画へのリンクも少しある。一部の英語やロシア語の情報ソースへのリンクもあるが、これからロシア映画の研究を始めたい人向けのものである。
    スポンサーサイト

    テーマ : 映画
    ジャンル : 映画

    tag : ロシア キンドル

    ペレストロイカ時代のロシア映画: 私的な回顧

     現在、ロシアの一般市民は、ペレストロイカ時代に対して総じて良いイメージを持っていないようである。
    ミハイル・ゴルバチョフは言論・表現の自由を保障し、経済の民営化を推し進めたが、そのぺ―スが多くの市民の意識の変化よりも急激だったため、社会は混乱した。
     
     今でこそ市場は政府がある程度まで“作る”ものであるということを良心的な経済学者達が認めているし、当時のソ連の場合には市場原理の導入が十分な制度改革の前に行われたため失敗したという議論もあるが、ペレストロイカ時代にはただ“自由”と“民営化”の拡大だけを目指していた。人々が混乱し、経済が立ちいかなくなったのも、ある意味、当然である。
    (規模は遥かに小さいが、これに少し似た経験を、日本人も1990年代から2000年代にかけてしている)

     一方、ペレストロイカの時代は、創作家達、特に映画作家達にとっては、かつてなかったほど芸術的野心を実現できる機会があった。何しろ、まだ国を代表するような主要な映画作品(輸出されたり国際映画祭に出品されたりする作品)は、大スタジオで、国の予算で作られていたにもかかわららず、内容面での検閲はゼロに近くなったからだ(もちろん、過度な残酷さや猥褻性は、他の国と同様に許されなかったし、そんなものを大スクリーンで見せようとする映画人はいなかった)。
    続きはブロマガを購入して楽しもう!
    このコンテンツはブロマガ(有料)です。
    購入すると続きをお楽しみいただけます。
    ブロマガって何?

    VODサイト“ネクフル”で販売中の希少映画

     アルトアーツのネクフル・チャンネルで販売中の、日本で劇場未公開の作品を紹介する。
    価格は108円から700円程度。動画ファイルや付属文書のダウンロードが可能な作品もある。詳細は各動画(サンプル視聴のみ)の下にあるURLで確認できる。

    復元された帝政ロシア時代の「朗読映画」3編(英語字幕、ロシア語と英語字幕の対訳PDFファイル付)

    URL:http://necfru.jp/video?id=3899
    『ウラジスラフ・スタレーヴィチ初期作品集』(1912~13)

    URL:http://necfru.jp/video?id=3688
    『大東京』(1933)

    URL:http://necfru.jp/video?id=3724
    『トラクター運転手達』(1939)

    URL:http://necfru.jp/video?id=3768
    『我々は何故戦うか』第2号「ナチスの攻撃」(1943)

    ●2月28日まで
    URL:http://necfru.jp/video?id=3890

    『我々は何故戦うか』第3号「分割統治」(1943)

    URL:http://necfru.jp/video?id=3918
    ●3月中旬まで

    『“貴社名をここに”物語』(1964~65、作者不詳のパロディ短編)

    URL:http://necfru.jp/video?id=3920

    tag : 映画文化

    プロフィール

    Shusei Nishi

    Author:Shusei Nishi
    私の専門は映画であり、映画と音楽には相違点も勿論ありますが、多くの共通点もあります。個人的には、映画は現在の形よりもっと音楽的であっていいのではないかと考えています。

    ここでは批評やレヴューというほどではなく、偏愛する音楽と映画、そして生活全般における“別の選択”について書いてゆきます。

    最新記事
    リンク
    Amazon e-Store Alternative Life
    Related Items on Amazon.co.jp

    Copyright © Notes on Music, Cinema and Culture by 西周成 All Rights Reserved.
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。