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    新刊紹介『ロシア版ホームズ完全読解』


    ロシア版ホームズ完全読解ロシア版ホームズ完全読解
    (2012/09/12)
    西 周成

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     日本でも最近急速に評価が高まってきた、イーゴリ・マスレンニコフ監督、ワシーリー・リヴァーノフ/ヴィターリー・ソローミンのホームズ/ワトソンによる、「ロシア版ホームズ」の完全読解本である。この連作を実際に見たことのない方は、「ロシア版」というだけでクオリティーについて疑念を抱くかも知れないが、ソ連時代に制作されたこの5本のホームズ映画は、本国で長ロングテール商品であるだけでなく、国際的に見ても総じて評価の高い「キラーコンテンツ」なのである。

     ホームズ物語発祥の地、イギリスでは2000年代前半から再評価が進み、ついに今年『バスカヴィル家の犬』(81)が輸入ものでなく英国製DVDとしてリリースされた(アマゾンUK商品ページ http://www.amazon.co.uk/dp/B007KZZ7JW、プロによるレヴュー http://www.cine-vue.com/2012/05/dvd-review-sherlock-holmes-hound-of.html) 

     だが、ロシア版ホームズ連作全てに関するような解説本が出るのは、日本が初めてである。筆者は映画研究者なので、映画史的なコンテクストや撮影スタイル等についても触れているが、基本的には映画ファンでなくとも楽しめるよう、多様な視点からこの連作の魅力を分析した本になっている。版元のアルトアーツは、イギリスよりも3年も前に『シャーロック・ホームズとワトソン博士』と『バスカヴィル家の犬』を出しているだけでなく、2年前にはマスレンニコフ監督が連作中で最良の作品と見なす『シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険』を2枚組オリジナル特典映像付きの初回限定版でリリースしている。
     今回の完全読解本の特徴の一つは、ロシア語による近年の関連資料(マスレンニコフの自伝、リヴァーノフの著作集、ファンサイトの記事、ロシアのネットニュース等)をふんだんに利用し、単なる作品解説に終わらずに連作の制作から現在に至るまでの「インタラクティヴ効果」(筆者の用語)の変化発展を跡付けていることである。これはネット時代のあらゆる「ロングテール商品」を企画したり分析したりする際のモデルになると思われる。教科書的な戦略しか採らず、リスクを冒そうとしない大手メディアには絶対に思いつかない発想や思考が、そこにはあると自負している。
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    テーマ : 映画
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    ロシア版ホームズ連作と「インタラクティヴ効果」

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    ロシア版ホームズの「名脇役」達

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    プロフィール

    Shusei Nishi

    Author:Shusei Nishi
    私の専門は映画であり、映画と音楽には相違点も勿論ありますが、多くの共通点もあります。個人的には、映画は現在の形よりもっと音楽的であっていいのではないかと考えています。

    ここでは批評やレヴューというほどではなく、偏愛する音楽と映画、そして生活全般における“別の選択”について書いてゆきます。

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