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    鳩山氏のクリミア訪問は、国益に反しない④

     月曜から続いたこの連載は、今日で終わりである。
     文字情報がほとんどで、長い文章が嫌いな人には苦痛だったかもしれない(全く大した長さではないが)。
     
     今回は、私が前回まで書いてきた事実の裏付けとなる報道映像の一部を紹介しながら、記事のタイトルと関係のある、「レッテル思考」の弊害についても述べたい。
     
     まず、次の映像をご覧いただきたい。イギリスBBCがYouTube上で公開している、今年1月初めのキエフ民族主義団体「スヴァボーダ」が行った、ステパン・バンデーラ生誕105周年の記念行進の映像だ(バンデーラに関しては前回記事を参照)。
     
      レポーターの英語は平易で聞き取りやすい。また、YouTubeでご覧になれば、ニュースの概要が英文で書かれている。私の書いたことが事実だと、誰でも確認できるだろう。右翼団体がこれほど大規模に首都でイベントを行う等ということが、日本でも他の先進国でも、想像できるだろうか?
     
     ウクライナの主な右翼団体はこの「スヴァボーダ」だけではない。同国東部での戦闘に加わった「右派セクター」(リーダーのドミトリー・ヤロシュはインターポールに国際指名手配された)、ヨーロッパの他国に影響を与えようとしている「アゾフ大隊」が挙げられる。この二つの団体は、軍事行動という、一歩間違えば国全体の国際的立場を危うくする活動に携わっている。
    次の二つは、昨年ウクライナの(ロシアの、ではない!)警察に殺された「右派セクター」の幹部の一人、オレクサンドル・ムジチコが、死の直前にアップロードした映像(上、昨年3月15日)と、彼の殺害を報道するロシアの「反体制(と欧米メディアは報道している)」的メディア“ドーシチ”のニュース(下、昨年3月26日)。ムジチコは、公安が自分をロシアに引き渡すだろう、殺されるだろうと言っているようだが、実際には自国内でカフェにいるところを強襲された。



    次に紹介するのは、昨年5月2日に起きたオデッサの虐殺に対して、早くも同月12日に公開された、StormcCloudGathering.com制作のヴィデオ。明らかに英語圏、おそらくはアメリカの独立メディアである。
     

     この独立メディアは、早くも3月12日には、クーデターの「舞台裏」を暴露していた。僅か10分程度で、驚くほど要領よくまとめている。ヤヌコヴィチ解任直前に起きた「スナイパー事件」も、アメリカ国防次官補ヴィクトリア・ヌーランドとパイエト駐ウクラナ大使が次のウクライナ政権の首班にだれが適当かと会話している電話録音も、ムジチコの「俺は生きている限りユダヤ人とロシア人を殺し続ける」旨の発言も、全部含まれている。
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    鳩山氏のクリミア訪問は、国益に反しない③

     この記事は月曜から連載しているが、途中から読み始めた人や、たまたま検索エンジンで見つけた人のために、念を押して繰り返しておこう。

     私はこの問題に関しては、あれこれの政党や政治家や国を支持しているわけではない。
     この記事のタイトルは、単に多くの人々の目に触れるようにつけただけで、今ここで書いている内容の大部分は、自分が映画研究者として、また翻訳やその他の業務でロシア語に長らくかかわってきた人間として、去年からとっくに気が付いている事実が中心である。
     
     その事実に基づいて、“鳩山氏のクリミア訪問は国益に反しない”という結論も、ついでに出てくるということだ。
     “国益”云々を語りたい人は、せめて以下の論述の内容くらいは知っておいて頂きたい。最新の情報も利用できない馬鹿な民族主義者ほど国益を損なう団体や個人は、世の中にあまりないということがお分かりになるだろう。但し、お分かりになるには、最後の一文まで熟読する必要がある。三流大学の国際関係の講義よりは価値がある情報が得られよう。

     さて、前回まで、日本人に去年2月のウクライナ政変以来、国際金融資本系のメディアが植え付けてきた“誤った認識”の数々を、中学生にでも分かる記述によって覆してきた(最近の中学生でも分かるかどうか、中学生よりレベルの低い大学生や大人がいるかどうかは、ひとまず置く)。
     
     それをまとめると、こうだ。
     2014年2月にウクライナで起きたのは、同国の一般市民による“革命”ではなく、倒されたのは“親ロ派”大統領ではなく、その“クーデター”の実働部隊は、極右民族主義者達であって、彼らの行動やキエフの新政権の政策は、ネオ・ナチ、ネオ・ファシズム的である。そして、彼らの政権を認めない人々は、テロリストではなく、単に普通の、良識と勇気のある市民達である。
      
     ここで、あなたが普通以上の知性をもった人間なら、では米国やEU諸国は何故、現ウクライナ政府を“支援”しなければならないのか、という、当然の疑問が生じるだろう
     しかし、これらの国々の外交政策が、政財界の支配層の利益を中心に回っていると考えれば、この疑問は簡単に解けるばかりか、欧米金融資本系メディアが事実に反する“シナリオ”を大衆に押しつけてきた理由も、同時に分かるのである。

     ウクライナ危機は、彼らにとって“手段”でしかない。勿論、ユーゴスラヴィア解体やイラク戦争の時のように、“戦後復興”や国の資産の“分割統治”という、旨みのある果実も多少は念頭に置いていたに違いない。
     しかし、ウクライナにできた政権の性格を考えれば、単なる経済植民地化が狙いだとは思えない。

     真の標的は、ロシアである。
     
     だから経済制裁が続けられたのだ。そのための口実を、プーチン大統領はクリミア併合によって与えてしまったが、彼が先日自国で放映されたテレビ・ドキュメンタリーで語ったと言われるように、“クリミアを見捨てることができなかった”というのも嘘ではあるまい。
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    鳩山氏のクリミア訪問は、国益に反しない②

     前回は、欧米金融資本系のメディアを通じて(あくまでもそれらが日本のマスメディアに先行して)日本人に植え付けた、ウクライナ危機とロシアに関する“誤った認識”の数々を列挙した。そして、それらの過った認識が作り出す“シナリオ”と矛盾し、欧米金融資本系メディアも日本のマスメディアも取り上げない事実のうちで、最も分かりやすい例を挙げた(昨年5月2日に起きたオデッサの虐殺事件)
     2人の人質が処刑されたとか、20人のキリスト教徒が処刑されてその映像がネット上にアプロ―ドされたとか大騒ぎする同じメディアが、40人以上、一説では100人以上の一般市民が犠牲となったオデッサの虐殺を殆ど無視しているのは、不可解を通り越して異常である

     この分かりやすい事件以前にも、欧米金融資本系(及びCNN等アメリカ報道が加わる)の“シナリオ”に矛盾する様々な事件があった。それでは、彼らの“シナリオ”の時系列に沿って、矛盾を見ていこう。まず、次の二つの“エピソード”である

     ①2013年末から活発化し、2014年2月にヤヌコヴィチ政権を倒したのは、ウクライナの“民衆の意思”である。
     ②ヤヌコヴィチ元大統領は“親ロ派”であった


     当初、“ユーロマイダン”と呼ばれるキエフ独立広場でのデモで要求されていたのは、ヴィクトル・ヤヌコヴィチ大統領の辞任ではなく、彼が以前に約束した通りEUとの貿易協定を早く締結せよというものだった。この協定はEUへの加盟を保障するものではなかった。また、EUへの輸出が増える保障もなかった(商品の品質に関する厳しい基準が、非関税障壁となる可能性が高かった)。この時点ですでに、“民衆の意思”説が少し怪しくなり始める。仮に大多数のウクライナの民衆が強く“ヨーロッパの一員”になることを求めていたとしても、それはあくまでデータの裏付けのない“ヨーロピアン・ドリーム”への憧れに過ぎなかった。
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    プロフィール

    Shusei Nishi

    Author:Shusei Nishi
    私の専門は映画であり、映画と音楽には相違点も勿論ありますが、多くの共通点もあります。個人的には、映画は現在の形よりもっと音楽的であっていいのではないかと考えています。

    ここでは批評やレヴューというほどではなく、偏愛する音楽と映画、そして生活全般における“別の選択”について書いてゆきます。

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