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    アメリカ帝国の終焉

     米国のデフォルト・リスクの高まりは、国内の医療や日常生活に影響を与えているだけでなく、G20や世界銀行からも名指しで解決を求められる等、いまや“覇権国”アメリカの没落を象徴するものになっている。しかし、当のアメリカでは既に何年も前から“帝国の没落”については自覚されていた。
     
     それもそのはずである。以前、このブログで書いたように、国内需要を支えていた中産階級の破産リスクが高まり消費余力がなくなったというだけではない。所得格差の拡大が4千万人以上の貧困層にフードスタンプが配給される事態を招いたというだけでもない。世界最大の消費(浪費)を誇ったアメリカ経済が、その構造自体から崩壊しつつあるのだ。1%の超富裕層(特にウォール街の支配者達と多国籍企業のCEO)のみが富を享受し、残りの全ては実質上、所得の“据え置き”又は社会からの“切り捨て”に遭ってきたのが、過去30年のアメリカである。つまり普通に考えれば、持続的な発展どころか、社会の維持さえ不可能な構造だったのである。

     最近報道されたデトロイトの破産は氷山の一角でしかない。次の動画に見られるように、かつて栄えていた地方都市の荒廃はただ事ではない
     
     また、金融資本家(銀行家)達の無責任さも尋常ではない。借金のカタに中間層から取りあげた住宅を荒廃するに任せているのだ。


     アメリカ社会の病根は、貪欲によって盲目になった金融資本家達と、タカ派、及び(これが最も目につきにくかったのだが)保守的な中産階級である。このうち最後の人々が一番、自分達の言動に対して自覚がなかった。そのように教育されてきたからだ。彼らの理想を表す言葉が他でもない、“アメリカン・ドリーム”である。

     この理想には、“自由(税金からの自由も含める人がいる)”と、“ビジネスでの成功(自由市場への無根拠な信仰に基づく)”と“物質的豊かさ(消費主義)”と“神の祝福(50年代から「忠誠の誓い」に「神の下の国」という一言が加わった)”という、よく考えてみれれば、また他のほとんどの民族から見れば全てを同時に満たせるはずのない諸要素が一体化していた。

     私が最近作り、去る9月11日からYouTubeで公開している『システムの衝突』では、この理想の矛盾、及びそれを絶対視して他国を侵略してきた“帝国”の傲慢さが、容赦なく批判されている。とは言え、作者である私自身の言葉は字幕による冷静なコメントしかない。過去半世紀のアメリカにおける公式的言説の矛盾や虚偽は、それ自体によって語られている。衒学的な人なら、この方法に「脱構築」を見出すかもしれない。YouTubeチャンネルの紹介ビデオの初めに日本語字幕(CC機能を使用)のついた1分の予告篇があるので、興味のある方はご覧頂きたい。
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    テーマ : 政治・経済・時事問題
    ジャンル : 政治・経済

    間近に迫る世界金融危機、無力な“近代的”諸学

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    本当には信用できないアメリカの「暴露本」

     タイトルから誤解を受けてはいけないので最初に断っておきたいが、私はアメリカの各種“暴露本”の全てが信用できないと言うつもりはない。だが、日本語に翻訳されているもので注意しなければならないものがあると感じているため、そうした本に限定して論じたいのだ。
     それらの著書は日本でも本国でも一般読者の評価が高く、長年の調査に基づいていることは確かなのだが、学術研究ではないため、調査された膨大な事実の間に、著者達の主観的意見や評価が入り込んでいる。一般読者にとっては、どこまでが真実でどこからが彼らの主観による独断なのか、判断しにくいだろう。

     一つは、以前このブログでインタヴュー動画を紹介したエドワード・グリフィンの『マネーを生みだす怪物 連邦準備制度という壮大な詐欺システム』(草思社、2005年)である。
    マネーを生みだす怪物 ―連邦準備制度という壮大な詐欺システムマネーを生みだす怪物 ―連邦準備制度という壮大な詐欺システム
    (2005/10/29)
    エドワード・グリフィン

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    原著のタイトルは、The Creature from Jekyll Island: A Second Look at the Federal Reserve、第一版は1994年に出版され、その後も版を重ねて現在ではペーパーバックで手に入る。
    The Creature from Jekyll Island: A Second Look at the Federal ReserveThe Creature from Jekyll Island: A Second Look at the Federal Reserve
    (2010/11/30)
    G. Edward Griffin

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     日本語版は初版の翻訳と思われ、著者がその後の版で加筆修正を行った可能性はある。私が読んだのは日本語版であり、以下の批判もそのつもり読んで頂きたい。
     この本は、アメリカの連邦準備制度が、大銀行の利権を確保・拡大するための「カルテル」に他ならず、その構想者達の最終目的は国家の廃止と世界支配であるという、陰謀論の愛読者にはよく知られた説を展開している。連邦準備制度の設立経緯やその性格に関する記述は正しく、ロックフェラーらが「新世界秩序(New World Order)」を実現する計画を述べたとか、ロスチャイルド家による国際的金融戦略の歴史といった情報に関しても、別に問題はないと思う。個々の事実は事実としてあるのだから。ただ、それら諸事実を結びつける著者の思考の枠組みに、非常に問題があるのだ。
     
     何と、彼はほぼ一貫して、こうした国際金融資本家達の策謀を「社会主義」的な陰謀であるとして、そこにフランクリン・ルーズベルトもJ・F・ケネディも加担していたと断じるのである。どうやら、国際金融資本家達がロシア革命を起こすためにボリシェビキに資金を提供したことや、アメリカ始め先進国が資金を拠出するIMFと世界銀行が発展途上国に貸付を続けていることが、彼の言う「社会主義」的陰謀説の根拠らしい。そしてこの「社会主義的」陰謀のために理論的根拠を与えたのがジョン・メイナード・ケインズであり(!)、彼こそが「世界社会主義体制」を計画したと言うのだから、まじめな経済学者は仰天するだろう。
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    Shusei Nishi

    Author:Shusei Nishi
    私の専門は映画であり、映画と音楽には相違点も勿論ありますが、多くの共通点もあります。個人的には、映画は現在の形よりもっと音楽的であっていいのではないかと考えています。

    ここでは批評やレヴューというほどではなく、偏愛する音楽と映画、そして生活全般における“別の選択”について書いてゆきます。

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