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    キプロス金融危機とロシアの地域経済統合への動き

     次の3つの動画は、Youtubeにアップロードされているロシア語圏の経済関連番組である。

    最初のものは2011年にウクライナのテレビで放映されたテレビ番組で、同地で開催された国際会議に出席したロシアの専門家達の鼎談である。2000年代初頭に世界同時不況を予測したという1964年生まれの経済学者・ジャーナリスト、ミハイル・ハージン、1968年生まれの経済学者でグローバリズム問題研究所所長ミハイル・デリャーギンが参加している。彼らは、経済的な観点からも文化的な観点からも、ウクライナがロシアをパートナーとせざるを得ないという点で意見が一致している(文化について補足すれば、歴史的にはロシア文化はキエフ公国すなわち現在のウクライナが発祥の地だと言える)。

     
     次の動画は、最近のキプロス金融危機とロシア中央銀行の新総裁選出に関して、プーチン大統領の地域経済統合問題に関する顧問、経済学者セルゲイ・グラジエフが答えているニュース。ロシアの投資家が資金を海外に預金しても何の得にもならないこと、ロシアに海外からの資金を呼びこむには金融制度の整備が急務であることを強調している。


     最後の動画は、ウクライナが今後も存続するためには、ロシア向け製品を輸出するしかないというハージンのコメントが中心である。その根拠として、10年後にはEUは破綻しているであろうこと、南方のトルコは既に他地域との貿易が多く、価格や品目の点でもウクライナから輸出できる商品は何もないということである。また、ロシア正教という文化的な共通性にも触れている。
     ちなみに、彼はある番組で「西欧社会では宗教は何の役割も果たしていない」とも語っているが、モスクワ大学を統計学で卒業し90年代には政府の経済関係機関の研究員でもあった彼のような人間がそうした発言をするところに、ロシアという国の文化的特質が反映している。「パンのみにて生きるにあらず」なのだ。もっとも、ハージン自身はどうやらユダヤ系らしい。

     海外からの政治経済ニュースというと、日本人はどうしてもロイターやCNN、BBC等、英語圏のソースに頼りがちになる。彼らが不偏不党だという保証はどこにもない。勿論、アルジャジーラであろうがノーヴォスチ通信であろうが最初から客観的であるとして鵜呑みにするわけにはいかない。
     それぞれのニュースを発信している地域には、それぞれの地政学的な背景や文化的背景がある。価値観も同じではないから、観点が違っているのが当然である。「グローバリズム」の本質は、そうした差異を単一のスタンダードを押しつけることによって徐々に消滅させ、一握りの巨大多国籍企業と金融資本が全世界の市場を支配しようとする動きである。その際に各国の中小企業や個人事業主が犠牲になったり環境や文化的伝統が破壊されても、グローバル経済の巨人達は良心の痛みなど全く感じない。TPPもその同じ鎖の一部なのだ。
     地域の経済・環境・文化の持続的な発展のために「グローバル市場」の限りなく画一化する動きに対しての抵抗が必要だという点では、ウクライナもロシアも日本も、課題は共通である。
     
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    テーマ : 政治・経済・時事問題
    ジャンル : 政治・経済

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    Shusei Nishi

    Author:Shusei Nishi
    私の専門は映画であり、映画と音楽には相違点も勿論ありますが、多くの共通点もあります。個人的には、映画は現在の形よりもっと音楽的であっていいのではないかと考えています。

    ここでは批評やレヴューというほどではなく、偏愛する音楽と映画、そして生活全般における“別の選択”について書いてゆきます。

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