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    “クリップ”という芸術ジャンル

     モスクワ留学中に音楽家の友人ができ、彼とそのアンサンブルに関するドキュメンタリー映画をヴィデオで撮ったこともあって、音楽と映像の関係についてはかなり長い間、考え続けてきた。

     DVというヴィデオフォーマットは、私が当時留学していたロシアで採用されているPAL方式の場合は特にそうだが、色の再現性がかなりいい(キャノンとソニーのカメラで撮影した場合に、その効果がはっきり出る)。それだけではない。2000年代に入ってから普及したハイヴィジョン画面フォーマットであるHDVよりも、音がいいのだ。DVはPCM録音だからである。
     
     だから、インディペンデントの音楽家が同じインディペンデントの映像作家や映画作家に、廉価で音質のよいクリップを作ってもらおうとおもったら、DVフォーマットを選ぶのがよい。だが、ネットで宣伝する程度であればHDVでも十分な音質が得られる。ただし、その場合はカメラで録音されたライヴ音源ではない別の音源があった方がいい。DVフォーマットならPCMなのでコンサートなどの録音でもそこそこ使える。
     Caprice`のために作ったこのクリップも、音源はDVカメラによるライヴ録音である。
     
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     ネット用動画も最近は随分、画質や音質が向上してきた。Youtubeでは何と劇場公開用映画にも採用されている2Kというヴィデオフォーマットの動画もアップロードされている。だが、通常ユーザーの再生環境を考えれば、2Kの動画は極端に重いために、実用的ではない。

     ロシアの友人達の音楽活動に関するドキュメンタリーを作って以来、私は音楽ドキュメンタリーと音楽クリップというジャンルが、劇映画よりも映画の可能性を自由に活かせることに気づいた。

     先日『鏡』について書いた記事をお読みになれば分かるが、劇映画といえども決して監督の才能や実力だけで全てが決まるわけではない。それに“作家の映画”は70年代以降、5人程度のスタッフで撮影されることも多い。

     そうである以上、ミニマルな形では音楽家と映画作家の2人だけがいれば制作できるドキュメンタリーやクリップが、映画芸術の一ジャンル、或いは単に芸術の一ジャンルとして成立しないはずがない。

     私は自分が経営している会社で、Alt-arts Projectなる企画を展開している。インディペンデントの音楽家達に、業界で最も廉価な音楽クリップ制作を提供すると同時に、これまで述べてきたような私の考えを実践に移している。先日、日本のミュージシャンから依頼があり、短期間で一つ仕上げた。「雪よりも白く」というピアノ曲である。手元にあったストック映像とそのミュージシャンから提供してもらった素材を基にしている。

     私は時間に余裕がある時は、なるべく楽想に相応しいオリジナル映像を作ってクリップに挿入している。

     楽しい仕事である。どんな音楽にも作品固有のリズムやアクセントがあり、独自の世界観や音楽観が反映している。私はそれらを自分なりに解釈し、映像に反映させるのである。
     不況で創作者が皆困窮していることは、自分自身の経験から分かっている。
     だからこそ、プロジェクトの価格表は業界最安にしてある。
     
     
      



     
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    プロフィール

    Shusei Nishi

    Author:Shusei Nishi
    私の専門は映画であり、映画と音楽には相違点も勿論ありますが、多くの共通点もあります。個人的には、映画は現在の形よりもっと音楽的であっていいのではないかと考えています。

    ここでは批評やレヴューというほどではなく、偏愛する音楽と映画、そして生活全般における“別の選択”について書いてゆきます。

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