スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    鳩山氏のクリミア訪問は、国益に反しない①

     最初にお断りしておくが、この問題に関して、私は特定の政党を支持しているわけではない。
     また私は、単純素朴な人々がよく用いるレッテル(“サヨク”、“親ロ”その他)にも当てはまらない。
     そのような思考しかできない低レベルな人々は、以下の文章をよくお読みになり、自分の思考様式がいかに洗脳に対して弱いか、要するに自分がいかに“操作”されやすい人間かを、反省して頂きたい。

     ウクライナ情勢に関して、私は去年2月の政変が起きる前から、ある程度以上知っている。ロシアの政治経済に関してもそうである。だから、あの政変の不自然な唐突さやマスメディアの報道の一面性にすぐに気付いた。更に、映画研究を専門にしてきたことから、私は静止映像でも動く映像でも、それらに添えられたコメントの影響を受けずに客観的に分析できる。
     そして、ロシア、欧米、日本のマスメディアによる報道(主にネット上のもの)を比較して、以下に述べる結論を得た。

     昨年2月の政変以降、幾つかの間違った認識が、欧米の金融資本系メディア(ロイター、ブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナル)によって、日本のメディアおよび日本人の多くに、真実であるかのように“植え付けられた”。
     あの地域の状況を以前から知っている人や、現地からの映像を素早く分析できる能力のある人は騙されなかったが、マスコミの“文字情報”しか判断の基準がない人々は、彼らの“プロパガンダ”を受け入れた。実際、日本のメディアは2月の政変が起きた当初、それほど熱心に報道していなかった。何故か写真やビデオ付きで真っ先に報道し始めたのが、上記の欧米金融資本系メディアであり、日本人が最初に目にしたのも、それらメディアの日本語版だった。
     
     昨年2月以来、現在に至るまで欧米金融資本系メディアが植え付けようとした“間違った認識”の数々を、以下に列挙する。

     ①2013年末から活発化し、2014年2月にヤヌコヴィチ政権を倒したのは、ウクライナの“民衆の意思”である。
     
     ②ヤヌコヴィチ元大統領は“親ロ派”であった
     
     ③キエフにできた新政権は、“革命”によって成立した“合法的”政権である。
     
     ④2014年3月のクリミアのロシアへの編入は、“ロシアの軍事的圧力”によって行われた。
     
     ⑤ウクライナ政府が“分離主義者”、“テロリスト”と呼び、マスメディアが“親ロ派武装勢力”と呼ぶ同国東部の勢力は、ロシア政府軍の支援によって戦闘を続けてきた。(この勢力は、主に“ドネツク人民共和国”と“ルガンスク人民共和国”と称し、自らの統治機構やメディアをもつ二つの地域である)

     ⑥今年2月に実現した停戦合意後も部分的な戦闘が続いていたのは、“親ロシア派武装勢力”によるウクライナ政府軍に対する攻撃のせいであり、その後ろ盾はロシアである


     これらはそれぞれ、大きな一つの“ストーリー”の要素であって、そのストーリーの枠内で見る限りは“一貫している”。
    いわばシナリオがあり、それに適合するような“エピソード”としては“良くできている”。そのシナリオでは、ロシアはウクライナの植民地化を狙う帝国主義的な悪の象徴である。
     ところが、このシナリオに全く反する多くの事実があり、それらに関しては、欧米金融系メディアもそれに追従しているかに見える日本の大手メディアも、沈黙してきたのである。

     最大の沈黙は、昨年5月2日にウクライナのオデッサで起きた虐殺である。この事件では、40人以上(一説では100人以上)の犠牲者が出た。しかも犠牲者達は、イスラム国による人質殺害に勝るとも劣らないような残虐な殺され方をした。
     殺されたのは、ロシア語の“格下げ”を含む新政権の政策に対して平和的な抗議行動を行っていた、ごく普通のオデッサ市民達である。現キエフ政権を支持する極右民族主義団体“右派セクター”その他は、彼らを労働会館ビルに閉じ込めて焼き殺し、窓から逃げようとした人々をピストルで撃ち、更には、脱出に成功した人々を捉えて暴行の末に死に至らしめた。

     キエフ政府も、それを支持するユリア・ティモシェンコらも、この事件に関しては、政府による分離主義者・テロリストの一掃であり、秩序回復であったと言明した。
     だが、ネット上に、特にYouTubeには、事件以来、そうしたウクライナ政府説に反論し、真実を伝えようとする情報や分析が多数、アップロードされてきた。事件直後に現場の凄惨な映像を報道したロシアのメディアだけではない。アメリカの反戦独立メディアや、最新のもの(今月13日公開)では次のようなドイツの中編映画まである。 極めて客観的な姿勢で、被害者側の多くの証言を集めたこの中編映画には英語字幕版、ロシア語字幕版があり、ロシアでは3月15日にテレビ放映されたという。

     
     欧米金融資本系メディアが一言も触れない事実は、オデッサの虐殺だけではない
     オデッサの虐殺で大きな役割を演じた“右派セクター”に代表される極右諸団体(事実上、ネオ・ナチ、ネオ・ファシストである)と現在のキエフ政権とが、ごく控えめに言っても思想的・政治的に“馴れ合っている”こと、更に言えば利害を等しくして“利用し合っている”という事実もそうである。
     欧米金融資本系メディアが、本当にロシアの“血にまみれた”プーチン独裁のロシアからウクライナの“民主主義”と“自由”を守りたいという立場ならば、ネオ・ナチやネオ・ファシオズムのこうした諸団体と現政権との明白なつながりに目をつむることが、どうして可能だったのだろうか? そこに見られるのは、米国やEUに共通する、ウクライナ危機に対するダブル・スタンダードである。
                             (次回に続く)

    テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
    ジャンル : 政治・経済

    tag : ロシア ウクライナ

    ボリス・ネムツォフ暗殺報道を映像で読み直す

    久しぶりに映像の分析的な読解によって、日本や欧米におけるロシア関連報道の歪みを究明していきたい。
     規模は違うが、昨年も同じようなことがあった。

     ウクライナにおけるクーデターである。
     周知のように、先ごろまで同国では、言語や教育を含む自治を要求する東部のロシア系住民達と、ウクライナ民族主義に基づき他民族の自治を許容しないキエフ政権(及び極右の民兵)による戦闘が継続していた。何故か、そのロシア系住民達は“親ロシア派武装勢力”と呼ばれ、ロシア政府が同国の紛争に「軍事介入」したことになっているが、実は全く証拠がない。この主張は欧米(主に米国)の報道の引き写しなのである。

     昨年2月にピークに達した首都キエフでの騒乱を見ていて私の頭に最初に浮かんだ疑問は、あれほどの激しい反政府運動の「理由」として報じられたEU加盟の停滞が、普通の人々をそこまで駆り立てる動機として余りに弱いということだった。
     その後ロシア語の独立系及び国営メディアの様々な情報と西側の報道を比較検証してみたが、最終的には現場からの明瞭かつ加工の跡がない実写映像(ルポ)を判断の基準とすることにした。
     ウクライナの騒乱に関して、日本の報道は当初ほとんどが欧米の主要メディアの論調を引き写していた。映像を解読して判断するという作業をしているとは思えなかった。
     
     昨日ロシアでも海外でも一斉に報道されたボリス・ネムツォフ暗殺に関しても、ウクライナ“革命”(と呼ばれているクーデター)と同じか、もっとひどい状況である。ネムツォフ暗殺を、アンナ・ポリトコフスカヤやリトヴィネンコ中尉のそれと比較し、あたかもロシアの現政権が反対派を暗殺し続けているかのように示唆する記事さえあった。これは類推の域を出ていないのみか、2000年代の英米メディアの主張をろくに検証もせず、そのまま自分の「マインドセット」として保持している、ジャーナリズムとしては非常に怠惰なやり方である。
    続きはブロマガを購入して楽しもう!
    このコンテンツはブロマガ(有料)です。
    購入すると続きをお楽しみいただけます。
    ブロマガって何?

    EUの遅ればせな「ウクライナ右派勢力」批判

     EUは今頃になってようやく、自分達があれほど支持してきた「ウクライナ革命」が民主主義と何の関係もないクーデターであったことを認めざるを得なくなったようだ。
     Russia Today(RT)の報道によれば、EUの外交問題主任代表カテリーナ・アシュトンは、ウクライナの右翼勢力が圧力をかけて同国内務大臣を辞任に追い込んだことに対し、彼らが「非民主的」な行動を止めるよう求めた

     
     このブログで何度も述べてきたように、ウクライナの現政府(臨時政府)は、他でもない極右民族主義勢力の暴力に頼ることでヤヌコヴィチ政権を倒したのであり、そこに民衆の意志はほとんど反映されていない。特に同国東部や南部では、彼らの「政府」を認めない人々が多いのである。それは「ロシアの圧力」があったからではない。アルセニー・ヤツェニュク首相を中心とする臨時政府が、極端に民族主義的で軍国主義的な政策(ロシア語の禁止、共産党の禁止、核軍備の復活)を掲げる一派と極右的軍人との協同によって成立したものだからだ。

     このことは、2月後半までには明らかであった。キエフを中心とする同国西部で起きた騒乱のルポ映像を、もう一度見直してほしい。RTの記者達が勇敢にも現場で撮影してYouTubeにアップロードされているものが、今でも視聴可能なはずである
     今月下旬になって、極右民族主義者の軍人アレクサンドル・ムジチコが警官隊によって射殺され、このことによって右派勢力から内務大臣への辞任要求が出された(以下の英語記事を参照。殺されたムジチコの過激な活動を記録した動画も埋め込まれている)
    http://rt.com/news/sashko-bily-dead-reports-013/#.UzEWthA3yK4.twitter

     ロシア語が分かる人やウクライナ語が分かる人には、先日RTによって中継されたウクライナ国会の様子が参考になる。ほとんどの議員がウクライナ語で意見を述べ、圧倒的多数派が「ウクライナに栄光を!」という言葉で演説を終えている(そんなことが現在、他の国であり得るだろか?)
     あの国ではロシア語話者も多い。だがロシア語で演説している議員は2名だけであり、一人はヘルソンス(クリミア地方の一部)の代表であり、政府に対して、敵意を煽るのではなく、人々に仕事やパンを保障して欲しいと訴えている。「あなた方は何も創造できず、国家を破壊していることを認めさない」と(1:19:33)。もう一人は、ソ連解体後の全ての大統領と国防大臣が、米国の言うがままに軍備を縮小し、中国やグルジアに武器を売り渡し、防衛力を弱めてしまったことを糾弾している。そして、ウクライナの16倍も軍事力のあるロシアと敵対することの愚かさを訴えている(1:52:42)。
     2人ともウクライナ共産党員であるが、イデオロギーとは関係なく、国民の代表として正論を述べている。彼らとは対照的に、多数派の「民族主義者」達は、「ウクライナに栄光を」を唱えてプーチンと「分離主義者」を批判する以外はしていない。つまり彼らに政治的ヴィジョンは何もなく、「敵意を煽る」ことしかできないのだ(無責任なネトウヨと同レベルである)

     ウクライナの「民衆」はどう考えているのだろうか? ハリコフでも、ドネツクでも、クリミアに倣って住民投票を求めるデモが起きた。ある人々は、ロシア編入よりも、ロシア、カザフ、ベラルーシからなる“関税同盟”への加盟を求めている
     決してウクライナ国民の多数派が、反ロシア、親・欧米でかつ軍備拡張主義の現(臨時)政府を支持しているとは言えない。多くの人々は単純に生活の安定を求めているのだ。いかにキエフの時代錯誤の右寄り政府が彼らの意志と乖離しているかは、次の動画を見てもわかる。このダース・アレクセ―ヴィチ・ヴェイダーは部下の「クローンがウクライナ全土で集めた資金」によって大統領選に出馬するそうである。これは日本で福島原発事故の後に現れた「絶対原子力戦隊スイシンジャー」シリーズと同じ、政府への痛烈な批判なのだ。 

    テーマ : 政治・経済・時事問題
    ジャンル : 政治・経済

    tag : ウクライナ ロシア クーデター 極右

    プロフィール

    Shusei Nishi

    Author:Shusei Nishi
    私の専門は映画であり、映画と音楽には相違点も勿論ありますが、多くの共通点もあります。個人的には、映画は現在の形よりもっと音楽的であっていいのではないかと考えています。

    ここでは批評やレヴューというほどではなく、偏愛する音楽と映画、そして生活全般における“別の選択”について書いてゆきます。

    最新記事
    リンク
    Amazon e-Store Alternative Life
    Related Items on Amazon.co.jp

    Copyright © Notes on Music, Cinema and Culture by 西周成 All Rights Reserved.
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。